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 「JIMAインターネット医療フォーラム2010」演者発表要旨



                      ■日時 2010年12月2日(木) 13:30〜17:00

                      ■場所 東京・中央区晴海区民館


  <一般口演>


1) インターネットを通した「患者の体験・語り」の共有:DIPEx-Japanの取り組み

       中山 健夫 (京都大学健康情報学教授)

要旨:2007年に策定された「がん対策推進基本計画」の最重要課題の一つに「国民の情報不足感」の解消があります。それに応えて医療者による支援体制の整備が進められていますが、専門家が提供すべきと考える情報と、病気と共に生きる患者・家族が求めている情報は同じではありません。
本演題では「患者の体験・語り」のデータベース化を進めるNPO法人「健康と病いの語り ディペックス・ジャパン」(DIPEx-Japan  http://www.dipex-j.org/)の取り組みをご紹介し、患者視点の情報の可能性と課題を考えたいと思います。


2) 医療学会向けリアルタイム意思集計支援システム『ケータイdeアンサー with twitter』

       森田 巧 (JIMA運営委員)

要旨:医療学会やフォーラムでは、発表者やパネリストは、檀上からの発言が主であり、聴衆者は、会場マイクで質問するか、終了後のアンケートで意見を提出するかなどの限られた方法でしか参加できず、発表者と聴衆者の意思の疎通は決してスムーズではなかった。そこで、携帯電話を活用したアナライザーシステムを制作した。その結果、発表者が会場に投げかけた質問に、聴衆者がその場で携帯電話で選択肢から回答したり、自由意見をtwitterで発言する、いわば、双方向かつ、リアルタイムのコミュニケーションの仕組みが構築できた。


3) 研究助成機関による、研究論文のオープンアクセス化

       高木 和子 (千葉大学・日本女子大学非常勤講師)

要旨:オープンアクセス(OA)運動の具体的な始まりは、2002年のブダペスト・オープンアクセス・イニシアチブ(Budapest Open Access Initiative, BOAI)とされることが多い。約9年が経過したが、この間に大学を始め、多くの研究機関に機関リポジトリが設立され、OAの基盤が確立した。学術出版界においてもOA出版社や著者支払いモデルを採用する学術誌が出現するなど、学術情報のOA化は世界中のさまざまな場面で急速な発展を遂げている。近年はOA義務化のポリシーを発表する大学が日を追って増加しているが、口演では研究助成機関のOAポリシーと、それに関連する国家のポリシーのみを取り上げる。
研究者をOAに導く最も強力なインセンティブのひとつが、研究資金を提供する機関のOAポリシーであることがその理由である。研究助成機関には公的機関と民間機関があるが、特に公的資金、すなわち国民の税金が使われた研究の成果には、誰もが自由にアクセス可能であるべきとする考えに基づく公的研究助成機関のOAポリシーに重点を置き、有力な民間研究助成機関のOAポリシーにも言及したい。
欧米の研究助成機関が研究成果のOA義務化の検討を始めたのは2004年で、その翌年にはOAを義務付けるポリシーが米国の米国国立衛生研究所(NIH)で実施された。5年が経過した2010年11月現在、OA義務化のポリシーを確立した研究助成機関は全世界で46に達する。それに加え、現在OA化を検討中の機関も数多く存在する。
国別で見ると、OAポリシーを採用している機関の数が多いのは英国とカナダで、米国、アイルランド、国際機関が次に続く。残念ながら、日本はゼロである。米国は、法律によってOAポリシーを義務付けたという点でOA運動の先端に立つだけでなく、議会には、NIHのOAポリシーを他の政府機関にも適用することを意図した「Federal Research Public Access Act(FRPAA)」法案が提出されて可決を待っている状態である。英国は、英国研究会議(RCUK)が、米国に次いで公的機関のOA義務化に取り組んだほか、有力な民間研究助成機関であるウェルカム財団もOAを義務化した。カナダは、OA化への取り組みは遅れたが、既に10機関がOAポリシーを実施している。ヨーロッパでは、欧州委員会が資金を提供した研究の一部にOA化を義務付けているほか、ヨーロッパ諸国が参加する団体のいくつかがOAポリシーを検討中である。


4) インターネットを利用したクリニックの運営

       大山 博司 (医療法人社団つばさ理事長)

要旨: 私とインターネットとのかかわりは、10数年前のWindows95が発売された頃にさかのぼります。当時個人でもホームページを開設できるようになり試しに私の専門である「痛風のホームページ」を作成してインターネット上にアップしてみました。そうしたところ多くの痛風患者さんやそのご家族の方から予想外のアクセスがありメールで質問などが届くようになりました。
その後、当時勤務していた病院のホームページも作成してそこで本格的に痛風医療相談を始めると相談後に実際に来院される患者さんもいて私の外来に痛風患者さんが増えて来ました。そこで、痛風専門クリニックの開設を思い立ち、医療コンサルタントの方々に相談してみましたが、皆さん異口同音に「専門分野の患者さんが来るのは病院だから」、「インターネットでの集患など無理」と言われてしまいました。
しかし、それから数年でインターネットが爆発的に普及し病気や医療についてのホームページも沢山出来ました。現在では、インターネットによる集患は当たり前であり新規開設の医療機関でホームページを持たない方が稀という状況です。このようにインターネットが医療提供者、患者さん双方の医療情報の入手や提供を飛躍的に容易にしたことにより診療所でも専門分野への特化が可能となりました。本日は専門外来におけるインターネットを利用した取り組みの実際を紹介します。


5) 医療分野を念頭に置いた、クラウド・コンピューティングのセキュリティ評価指標の提案

       山野辺 裕二 (国立成育医療研究センター病院医療情報室)

要旨: 医療分野でクラウド・コンピューティングを活用する気運が高まっているが、時代の流れが速いため、法律やガイドライン等が対応する前にさまざまな使い方がされてくると予想される。 クラウドを利用したある医療サービスが「e-文書法」、「個人情報保護法」といった法律や、「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」などの各種ガイドライン等に準拠している場合はそのことを公言できるが、そうでない場合はそのことを公に口に出しにくいものである。このような法律やガイドラインに非準拠のサービス提供は、提供者だけに非があるのではなく、法律やガイドラインの方が時代に追従できていない場合も考えられる。しかしそれでは利用者や第三者が安心できない。そこで、法規やガイドライン準拠以下のレベルについても分類指標を作り、それを事業者が提示することで提供する医療サービスの理解や比較を促そうと考えた。 このような背景の下、主に医療分野を念頭に置いた、クラウド・コンピューティングのセキュリティ評価指標を提唱する。


6) 自治体ウェブページにおける外国人向け医療情報提供の実態

       上田 麻絵1) 山路 学2) 扇原 淳3)

           1)早稲田大学大学院人間科学研究科
           2)早稲田大学人間総合研究センター
           3)早稲田大学人間科学学術院
       
要旨:近年、我が国ではインターネットに関わるインフラ整備が進んだ事もあり、インターネット上の医療情報へのアクセスが比較的容易になった。しかしながら、そのアクセスについては、我が国で生活する外国人をはじめとして様々なレベルで格差が生じていることが指摘されている。
本研究では全国47都道府県のウェブページを対象とし、その使用言語と情報量について評価し、医療情報の提供状況について明らかにした。その結果、全ての都道府県で日本語以外のウェブページを公開していた。さらに、外国人登録人口が多い都道府県ほど、使用言語数および情報量が多い傾向が見られた。


7) JIMA新トラストプログラムについて

       三谷 博明 (JIMA事務局長)

要旨:医療・健康分野での安全なインターネット利用の環境づくりを目的として、サイトの運営者が自主的に質と信頼性の確保に努めていくトラストプログラムの推進活動に取り組んできた。
一定の基準に基づきサイトを審査評価、信頼を意味するトラストマークを付与する事業を2002年1月から行ってきたが、eヘルス倫理コードの121項目にわたるセルフアセスメントの難しさや費用負担等がネックになってか、マークの付与数が少数にとどまっていた。
こうした状況を打開し、マークの普及拡大とトラストプログラムのいっそうの推進をはかることをねらいとして、本年8月より、10項目のミニマムスタンダードへの準拠と簡略な審査、費用負担なしでマーク(レギュラー)が取得できる新プログラムを開始した。
また、従来からの苦情窓口のJIMA POSTに加え、医療法・薬事法・健康増進法等の法律知識にも通じ、利用者視点でひろく医療・健康情報をチェックしていく「ヘルスインフォーメーションウォッチャー」の育成・起用も構想している。



       (その他、掲出準備中)










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