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 「JIMA2015 会員フォーラム」演者発表要旨






   ■日時 平成27年6月25日(木) 14:15〜17:00

   ■場所 東京・晴海区民館




 <一般口演>



(1)「本邦初・国立がん研究センター監修『禁煙クイットライン』
    企業の従業員向けサービス」

       卯尾 典之 (株式会社EPファーマライン)


要旨: 「禁煙」はタバコによって被る従業員の健康被害だけでなく、企業にとっても医療費負担の増加や労働損失(喫煙時間や長期病欠等)、分煙室維持の費用を軽減できる最も重要かつ効果的な対策です。

弊社の『禁煙クイットライン』は国立研究開発法人国立がん研究センター監修のプログラムを受講した専門相談員がご契約企業で働く従業員皆様の禁煙を全面的にサポートするサービスです。これまでの禁煙に関する取り組みの如何に関わらず、ご契約企業の従業員様の健康と企業様の効率的な経営に貢献いたします。



(2)「国保特定健診データから探る健康課題」

       井上 まや (だんだんだいえっと)


要旨: 特定健診・特定保健指導は、公的医療保険(職域保険・地域保険)の加入者のなかで、40歳以上75歳未満(年度途中に75歳に達する人を含む)の被保険者および被扶養者を対象としています。団塊の世代が退職し、職域保険から地域保険に移行している現在、地域保険加入者の高齢化は急速に進んでおり、地域保険における特定健診受診者の前期高齢者率も上っています。

昨年は、千葉県栄町の特定健診データの年次推移をご報告しました。今回は、年齢による健診結果の違いをご報告し、今後の地域保険における課題を考えたいと思います。



(3)「地域包括ケアのインターネット情報セキュリティ」

       森田 巧(JIMA運営委員)


 要旨: これから急速に進行していく高齢化社会では、患者さんが住み慣れた場所で質の高い医療と介護を受けられるようにしなければなりません。そのためには、一丸となった地域づくりが求められます。病院・診療所による外来・訪問診療を中心とした医療だけではなく、居宅や介護施設での闘病を支える介護サービスとの連携が必要です。これには、関係する多職種がチームとなって、医療機関と施設とを往還している高齢者を支えることがなにより重要となります。

 そこで鍵となるのが医療・介護の情報の連携です。地域の限りある人的医療介護資源で患者を支えていくには、電子的なICTツールを使って情報を共有するのが、信頼関係に基づくチームの連携につながるだろうと考えられています。市場で利用が始まった在宅支援用の情報共有システムは、現時点では医療機関の間の情報共有が先行しておりますが、今後、介護との連携でシステムを共有するにあたってのインターネット情報セキュリティについての課題をあげたいと思います。



(4)「メディア及びインターネットネットが糖尿病治療中断に及ぼす影響」

       小内 亨 (おない内科クリニック)


 要旨: 糖尿病の治療中断が、血糖コントロール不良、合併症の発症、進展、重症化などの様々な問題の原因となることは知られている。
一方、TVなどのマスメディア、インターネットより種々多様な健康関連の情報が提供されている。こういった情報の中には、いい加減な情報もあり、患者の受療行動に悪影響を与えている可能性がある。
このような、メディアからの情報が糖尿病の治療中断にどのような影響を与えるのか、当クリニックに受診した糖尿病患者に対して、通院中断を「医療機関への通院が中断し治療を受けなくなった場合」と「それまでの医療機関への通院を中断し他の医療機関に移った場合」との2つに分けて、アンケート調査を実施した。
今回その結果について報告したい。



(5)「ゼロチップを前提とした医療・介護・福祉システムの検討」

       山野辺 裕二 (社会医療法人財団董仙会本部情報部部長)


 要旨: 世間では携帯電話やスマートフォンが普及し、更にはApple Watch等のウェアラブル端末がもてはやされている。しかし医療・介護・福祉分野で認知症の高齢者への対応を考える時、端末を忘れて外出することも想定する必要があり、ウェアラブルには限界がある。

 しかしその延長で対策を突き詰めると、体内にチップを埋めこむということになってしまう。わが国でこれが許容されるとは考えがたいので、別のアプローチを考える必要がある。

 スマートフォンやウェラブル端末も含めて一切の半導体チップなしに、個人を検知・識別するという概念を「Zero Chip Detection」と名付けてみた。

 まず思いつくのは防犯カメラによる顔認識であるが、蓄積されたビッグデータから、関係ない人物のプライバシーを侵害せずに、目的の人物を検知する必要がある。あらかじめすべての人物を認識してビッグデータ化することにはプライバシー上の抵抗が強いと予想され、必要名地域を絞った画像のみを対象として、オンデマンドで認識・検索できる技術が開発できるかどうかが課題となるだろう。

 カメラの数が少ない過疎地では、カメラの設置にも工夫が必要であり、路線バスやタクシーへの搭載などが考えられる。数年のうちには自動運転自動車が実用化に近づくと思われるが、それらが備える360度カメラの映像が利用できるようになれば、情報量は爆発的に増加する。

 カメラ以外にもコンビニなどでの購買によりポイントカード利用場所の位置情報ログを保存しておくことで、いざという時の立ち回り先が予測できる。今後は都会と過疎地で異なるプライバシーポリシーを適用することも考える必要がある。

 ここまでは徘徊高齢者の検知を考えてきたが、病院内でもバーコードを印字したリストバンドが多用されている一方、救急外来では搬送患者の身元確認に難渋することがあり、従来システムについても、既存インフラのゼロベースで見直す意義があると思われる。



(6)「小児科外来を訪れる受診者家族のインターネットの医療情報の利用実態」

       西藤 成雄 (西藤小児科こどもの呼吸器・アレルギークリニック院長)


 平成9年より滋賀県内の5つの医療機関を定点と定め、概ね3年毎に外来家族のインターネット(以下、INET)の医療情報の利用実態についてアンケート調査を行った。調査世帯の情報技術(以下、Information Technologyの略で IT)機器所有率は、調査開始時より内閣府調査の一般世帯よりも高く平成15年には95.2%に達していた。IT利用者のいる世帯の割合も平成22年には98.0%に達した。INETの医療情報の利用経験は、平成22年には81.3%の世帯で行われていた。INETの医療情報の利用時の感想は「医師の説明がよく理解できた」「役立つ情報が得られた」などの肯定的な意見が多く、調査を重ねるに連れ増えており、患者にINETの利用を強く止める理由にはならない。INETの医療情報の利用意向は、76.8%から87.4%と調査開始時より高い割合を維持している。

 受診者家族の多くがINETから医療情報を得られる事を認識して、外来診療を行なわなくてはならない。アクセスし易いWorld Wide Web(以下、Web)ページに適切な医療情報を配置する事は、医師と患者の信頼関係に構築に役立つであろう。生活のインフラと化したINETを、患者やその家族が安心して利用できるように、医療機関からWebページへの情報提供の在り方についての議論が進む事を期待する。

  ※西藤先生の口演は、今回、特別にテレビ会議システム(LiveOn)を使って、滋賀の先生のクリニックと東京の会場を結んで遠隔発表いただきました。


(7) 「超長寿社会に対する戦略的防衛医療構想:情報薬と認知症」

       辰巳 治之 (札幌医科大学)









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