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 「JIMAインターネット医療フォーラム2001」発表要旨





 

オープンカルテによる患者参加型医療の試み


              遠矢純一郎(用賀アーバンクリニック)



インフォームドコンセントやカルテ開示など、医療における情報公開・提供の必要性が求められています。特に生活習慣病のような慢性疾患が中心の現在の疾病構造において、その治療や療養はどうしても長期にわたるので、患者さん自身の病気への理解や治療に対しての努力が何よりも必要です。さらには症状のない段階での治療的な働きかけにおいては、患者さん本人がその必要性を理解し、納得しなければ、治療効果が上がらなかったり、その継続そのものさえ困難になったりするものです。よってより積極的な医療情報提供に基づく患者さん自身の治療への主体的な参加は、それ自体が治療の成否さえ左右してしまうほど、重要なことであります。

また現代の高度な細分化された医療において、医師の関心が患者の病気や臓器にばかり集中してしまい、患者はその病気の入れ物として扱われがちという状況であることが問題視されています。開示提供された医療情報により、患者さん自身がセルフケアの主体として、自分の病気に対して主人公としてはたらきかけるようになり、医師は傍らでそれを専門的に援助していく、と言う新しい関係が生まれるのです。つまり医療における患者さんの主体性を確立するという意味があり、そのことは医療において人間疎外の状態を解消する唯一の鍵となりうるものであると考えます。

当院は、昨年12月に開業した無床診療所であります。専門は「家庭医」であり、地域のかかりつけ医としての機能を目指しております。オープンカルテとは、いわゆるカルテ開示のことですが、患者さんの求めに応じた開示ではなく、医療者側からの積極的な診療情報の提供と言うスタンスであります。今回、オープンカルテを始めるにあたり、医者である我々は患者さんへのより積極的な情報提供という意味合いは理解しつつも、やはりいろいろ躊躇する部分もあったのは否めません。特に開示することで起こりうる様々な問題の可能性は、実際始めてみなければ解らない部分もあるように思い、それなりに不安はあったものの「やってみなければ解らないことなら、とにかくやってみよう」という気持ちで開始してみました。まだ開始して1年にも満たない期間でありますが、その間の医師の意識とその変化を、当院で診療にあたっている医師4人にインタビューしたので、その結果を告白してみたいと思います。そして今回、オープンカルテを体験した患者さんに対して「オープンカルテに対する印象」のアンケート調査を行いました。その結果から見えてきた、積極的カルテ開示の患者さんにおける意味合いをご報告いたします。

また昨年度、経済産業省の委託を受け(財)医療情報システム開発センターが公募した「先進的IT活用による医療を中心としたネットワーク化推進事業 −電子カルテを中心とした地域医療情報化−」において、当クリニックを核とした案件「玉川地域における”家庭医”発信型の医療ネットワークの構築」を、採択して頂きました。ネットワークを利用した病診・診診連携の仕組み作りについて、現在進行中であるその概略についても御紹介させていただきたいと思います。








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