
|
|
患者による医療評価と患者-医療施設のネットワーク化について前田泉 (ティー・エムマーケティング株式会社) 現在の医療環境において「患者中心の医療」をキーワードとしたうねりが起こりつつある。そのひとつが、医療を患者視点から評価しようという動きである。特に2003年8月にオリコンメディカルから出版された医療施設ランキング本がベストセラーとなり話題になった。 医療の質評価に関して、ドナベディアンによって「構造」「プロセス」「アウトカム」の3軸の評価フレームが提唱されているが、日本の評価の現状は、「構造」と「プロセス」にとどまり、「アウトカム」評価はほとんど行なわれていない。患者満足度のような患者関連のアウトカム指標については、どのように医療評価に取り込むかについて体系的な整理がまだ十分になされてはいない。 我々の行なってきた研究結果によると、患者満足度の最重要因子は医師とのコミュニケーションであった。さらに、患者満足度は患者の受療行動に強く影響することが明らかになった。すなわち、患者満足度が高まると「継続受診」と「口コミ」といった受療行動となって現れるのである。診療サービスの質的向上によって患者満足度が高まることが患者の受療行動へ働きかけることになる。 医療制度改革おける医療機能分化がすすむ中で医療施設間の病診連携がますます求められ、ネットワーク化へ向けて様々な取組が見られる。また、電子カルテについても国の支援事業として導入促進策が講じられ普及の兆しが見られる。このようなネットワークが広がってくると医療施設と患者間のコミュニケーションについて新たな展開の可能性が考えられる。診療補完、情報提供という形でのコミュニケーションの充実が、医療の質向上につながりひいては患者の受療行動へ働きかける方策が検討されるべきではないかと考えている。 |