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 「JIMAインターネット医療フォーラム2003」発表要旨



 

電子ネットワークへの取り組み〜近未来の電脳病診連携〜




  松岡 正己(OCHIS大阪ヘルスケアネットワーク普及推進機構NPO副理事長、                         大阪市城東区医師会議長)





1 e-Japanと厚労省の医療制度改革

 e-Japan計画の進行には近年めざましい進展が見られる。それにともない各地方でブロードバンドによる電子ネットワークが普及してきている。ではその電子ネットワークに何を載せるのか。行政情報から観光情報などなど多彩であろうが、国民から要望が多いのは健康情報、医療機関情報、病診連携情報でありましょう。厚労省の小子高齢化社会に対応する医療制度改革の基本方針として1医療提供体制の改革、2診療報酬体系の改革、3保険制度の改革の3つを上げてられている。さらに医療提供体制の改革については1患者の視点、2質と効率、3医療の基盤整備の3つを上げている。視点、効率、基盤のいずれもデジタル化を抜きにしては語れません。こうした観点からも医療のIT化への流れは必然であろうかと思う。厚労省のアクションプラン工程表には平成15年から16年度にかけて地域医療連携の充実、遠隔診療支援の普及、医療施設のネットワークを活用して新たな基盤整備が掲げられている。こうした社会的背景の元に大阪地域を中心にした地域でのインターネットを利用した電子ネットワークでの病診連携の運用状況を報告する。

2 地域での社会的基盤としてのセキュアーな電子ネットワークの必要性

 医療情報のデジタル化、その実現のための電子カルテは病院や診療所での普及はいずれも10%以内であり、電子カルテの普及のブレークスルーにはまだ道遠しであるが、デジタル化の有用性の認識は広がってきている。医療機関内でのデジタル化では内部の医療業務の効率化が重要視されているが、患者の視点という観点からのデジタル化の有用性も検討されなければならない。患者の視点に立つと、自宅の近くのかかりつけ医が必要な時に信頼できる病院の専門医と迅速にセキュアーな電子ネットワークで連携してくれるなら、デジタル化は身近な有用な社会的基盤として認識されるでありましょう。そのためにはかかりつけ医の診療所のIT化も必要であるし、地域で最高のセキュリティが確保された電子ネットワークの構築が必要とされる時代になってきている。病院の専門医と地域のかかりつけ医の2人主治医制は患者特に在宅療養の患者にとっては自宅が病院の個室のような感覚で医療サービスが受けられてその利便性は高いものがある。ITで医療の現場が変わる一つの側面でありましょう。

3 OCHISとその現況

 OCHISとはOrganization for promoting Community Health Information Systemsの略称である。平成12年度補正予算で経済産業省委託事業を実施した当初はOsaka Community Health Information Systemsという意味であったが、より広域的にヘルスケア分野のネットワーク事業を展開するために、特定非営利活動法人NPOを設立して、「普及推進機構」を前面に打ち出す名称に変更した。日本語の名称は大阪ヘルスケアネットワーク普及推進機構である(url http://www.ochis-net.jp)。インターネットを利用して通信するが、公開鍵暗号技術と電子署名を使い、連携サーバは公的インターネットデータセンター(大阪府IDC)に設置されていて・ファイヤーウォール・データの二重化・ユーザー認証の為のPKI-ICカード・通信経路の暗号化 など幾重にも堅牢なセキュリティが確保されている。OCHIS回線使用料は月額病院6000円診療所:介護施設3000円であり、現在実用化されている電子ネットワークでは最も簡単、安価、手軽、実用的なネットワークである。病院と診療所がaspタイプの電子カルテを共同で使用するのが患者情報の全共有システムなら、OCHISはピンポイント共有システムである。必要な情報を電子紹介状プラス添付資料の交換で行うものである。電子紹介状はxml形式で統一されているが、添付の形式は自由である。添付には10項目あり、総量は20MBまで一度に送信可能である。中央郵便局に私書箱を設置して情報を交換する概念のシステムであり、病院では地域医療連絡室を介して目的の専門医に情報が伝えられる。病院の地域医療連絡室にインターネットへ接続されているコンピューターがあれば、ICカードとICカードリーダーの設定ですぐに電脳病診連携が実現できる安価な簡便なシステムである。中央郵便局に私書箱を設置して情報を交換する感覚であるので全国どこからでも利用可能である。平成14年前半の実証試験を経て自主運営へ、ついで有料の実運用に至り現在までの回線使用回数も600回を超し、患者件数も400人を超しての実績を積み重ねて全国展開の体制が確立している。





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