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 「JIMAインターネット医療フォーラム2003」発表要旨



 

インターネットを利用したインフルエンザ流行情報収集と公開について




   ○西藤成雄 1)、砂川富正 2)、宝樹真理 3)、根東義明 4)

   1) 西藤こどもクリニック、2) 横浜検疫所検疫課、3) たからぎ医院、
   4) 東北大学医学部小児科





 感染症法に基づくサーベイランスの報告は臨床診断に基づき、報告から還元までに約2週間を要する。感染症の流行阻止には早期の対策が重要であり、特にインフルエンザ(flu)のように流行の早い感染症では、収集された情報の還元にさらなる速報性が望まれている。

 インターネット(INET)が普及した今日、メーリングリスト(ML)など日本全国の小児科医と瞬時に情報交換ができるコミュニティーがすでに存在する。2000年秋に国立感染症研究所情報センターの砂川富正氏から、各ML参加者に対して、迅速診断キットによるインフルエンザの診断状況をMLに投稿し流行の立ち上がりを知らせ合おうと提案があった。それを投稿ではなくWebページで報告できるオンラインDB「MLインフルエンザ流行前線情報データーベース(以下、ML-flu-DB)」を考案し試作してみた。

   ML-flu-DBは、INETに常時接続された固定IPを持つホストコンピューター(OSはLinux)にWebページサービスとして「Apache【a】」を、DBには「MySQL【b】」を使っている。そしてプログラミング言語「PHP【c】」をもちいてWebページからDBへの情報の入出力を実現した。いずれもGPL【d】で配布されているソフトウエアーである。

 ML参加者から視認性や利便性を高く評価され、これまでに3シーズンの運用を行った。昨シーズンは平成14年12月17日より平成15年4月28日まで運営し、352名の有志医師から38902件の症例登録があった。その報告はWebページに都道府県別に集計表示され、報告が多くなるに連れて警戒色に変化するように工夫した。報告数の経時的グラフの描写や各年齢ごとのfluタイプや予防接種歴などの分析がリアルタイムで処理される。日週集計はメールでも配信される。ウイルス分離の結果も追加報告が可能である。また登録した各医療機関ごとの解析も提供を始めている。

 集まった情報をリアルタイムでINETで公開するML-flu-DBは、従来のサーベイランスに比べると速報性において飛躍的に優れている。有志医師からの自主的な報告でありながら、サーベイランスのflu報告数【e】と比較すると相関係数 r が 0.81 から 0.99 と高い相関を得た。さらに従来の臨床症状による報告ではなく、迅速診断テストの結果に基づく報告でありさらに信憑性が高い。なおかつ症例の性別や年齢、fluタイプ、予防接種歴などをリアルタイム集計し報告している情報源は、国内に他には存在しない。

 本DBは利点も多いながらも、その報告は医療機関関係者の参加意欲に依存しており、また地域の代表性にも問題がある。また迅速診断キットも毎年シーズン終わり供給不足になる。それらの問題点をHPに表記しているが、本DBへのアクセスは50000回を越え関係者の関心は大変高いと想像される。

 これまでの稼動状況報告し、INETを介した有志医師の情報提供とその公開について考案する。

参考URL

【a】 The Apache Software Foundation http://www.apache.org
【b】 MySQL http://www.mysql.com
【c】 PHP: Hypertext Preprocessor http://www.php.net
【d】 GNU GENERAL PUBLIC LICENSE http://www.gnu.org/copyleft/gpl.html
【e】 感染症発生動向調査週報 http://idsc.nih.go.jp/kanja/index-j.html





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