
|
|
1.はじめに 患者さんの薬物療法のプロセスには@疾病の認知A医療機関へ受診B診断C治療(投薬)Cコンプライアンスの維持がある。(PHARMA JAPAN1683/February 7,2000)医療用医薬品は処方せんが必要なため、医療用医薬品メーカーのコミュニケーションの対象は医師、薬剤師、コ・メディカルといった医療従事者が中心で、その内容も自社品がいかに使われるかに焦点がおかれていることが多かった。しかし、治療目的の 達成と言う広い視点では、患者さん側の疾病の未認知、未受診、コンプライアンスの向上といった課題が浮かび上がってきている。一方でインターネットの普及と患者さんの治療参画意識の高まりにより、医療用医薬品メーカーにもインターネットを通じて患者さんとコミュニケーションするモチベーションが生まれつつある。 2.患者さんのインターネット上の医療情報へのアクセス度 2000年11月に行なったインターネットによる喘息患者調査の結果によると、インターネット上の「医療・健康」に関する情報収集を行なっている割合は、「患者さん本人」(N=569)で40%、「小児患者さんの親」(N=481)で55%であった。さらに喘息情報へのアクセス度では、「患者さん本人」で26%、「小児患者さんの親」で39%と予想よりも少ない結果であった。 また2000年9月に行なった片頭痛患者を対象とする郵送調査において、「慢性頭痛にはいくつかの種類がある」ことを知った認知経路として、インターネットはわずか4%であった。 従来から「医療・健康」は関心度が高いといわれているが、ネットレイティング株式会社(東京都 港区)のインターネットの視聴率調査(2000年9月)によれば、上位にランクされるサイトとして医療系サイトは入っていない。 3.情報提供源としての製薬メーカー JIMAの平成11年度厚生科学研究の「インターネット上の医療情報の提供と利用の実態に関する研究」報告によると、患者さんが求める医療機関に関する情報源として「公共機関」、「医療提供者」、「第3者機関」が上位を占め、「営利団体・民間企業」が最も少なかった。同じ情報でも情報源の違いによって情報利用者の受容度が変わることを伺わせた。 前述の喘息患者調査で、アクセスした喘息情報の内容として「喘息の知識」、「治療薬」、「生活習慣」が上位に上げられたが、医療用医薬品に関する情報を患者さんへ提供することは、薬事法上の規制がある。 4.医療用医薬品におけるステークホルダー 医療医薬品の場合、関係する対象が患者さん、医師、薬剤師、コ・メディカルといった多くのステークホルダーが存在し、情報提供の結果、ステークホルダー間での総体的な便益向上を検討しないと、最終的な患者さんの利益につながらないことを、十分考慮する必要がある。 5.まとめ 以上より@医療情報の普及のための仕組み作りA情報源としての製薬会社に対するバイアス・規制Bステークホルダー間の総体的な便益向上の整理などがインターネットを通じた情報提供に関しての課題と認識している。これら課題の克服にむけて現在、試行錯誤している最中である。 |