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当院では喘息のお子さんを持つ家族や喘息患者の交流と学習を目 的として「こどもと喘息フォーラム」と題したメーリングリスト(M L)を運営している。対象は喘息のお子さんの家族や医師をはじめ、 喘息を持つ子どもに接する機会のある方である。 このMLの特徴は、投稿内容をWebページとして公開し検索エンジ ンを稼動させML参加者以外に閲覧を可能としている事があげられる 。こうしたMLの投稿内容を公開する手法は、コンピューターやソフ トウエアなどの技術系のMLを始めとして今日ではよく行われている 手法である。 MLでの患者やその家族同志やまたは医療関係者との間で、病態や 薬剤に対する知識、医療機関や学校・家庭での対応など、喘息を克 服していく上で有益な情報が取り交わされている。その交信はMLに 参加していない患者さんにとっても大変素晴らしい情報資源であり 、インターネット上で公開し喘息で悩んでいる方とも共有財産の構 築を目指した。 ところでプライベートで深刻な話題を扱う医療関係のMLでは、交 信内容を公開するのは珍しい試みではないかと考えている。特に危 惧されるのは患者さんのプライバシーの漏洩である。そのためMLで はハンドルネームを使用する、Webページでは投稿した方の電子メ ールアドレスが表示されないなどの工夫を凝らした。 しかしながら、投稿のWeb公開は喘息患児が日常のどういった局 面で困難に直面しているかなど、閲覧者に知ってもらう機会を作り 、長期的にはML参加者を含めた喘息患者にとってもメリットを与え るかもしれない。また本名や電子メールアドレスを伏せるなどの対 応は、投稿をご覧になった方からの励ましのメッセージの到達を妨 げるなど、メリットが上回るものかどうか検討も必要である。 Web公開によるMLの運営は始めてまだ2ヶ月余りであるが、MLの 投稿はアクセスログなどから、予想通り実に多数の方が閲覧してい る事が分かる。特に検索エンジンのログファイルは、どういったキ ーワードで検索したかが記録されており、それはすなわち喘息患者 が今日求めている情報を反映していると考えられ、これは大変興味 深い。 患者のプライバシーの保護を求める声が高まる中で、患者一人一 人のわずかな体験が、Web上で多くの方の共有財産として構築され 大勢の利益を生み出す可能性があることも注目すべきである。研究 会ではこうした方法で患者を中心にML運営する上での問題点や展望 について現時点での考案を述べたい。 |