
|
|
オンライン支援の適応と限界 〜 喘息患者への支援を通じての考案 〜 西藤成雄(西藤こどもクリニック) インターネット(INET)の出現は日常生活のあらゆる局面で影響を与え、診療の場においても患者支援に様々な応用が今日まで試みられ成果を上げてきている。演者は1994年頃より、喘息患者を対象としたフォーラム「すこやか村・喘息館」(ニフティーサーブ)や「こどもと喘息フォーラム」、メーリングリストの運営、そして喘息専用の検索エンジンの提供などにおいて患者への情報支援に努めている。 こうしたINET支援は、生活の習慣を変えることによりの症状を軽減したり発現を阻止できる疾患、特に病初期での適切な治療への導入などで効果をあげる事例が多い。その成功の秘訣は、既存の社会の枠組みを越えた「ネットオピニオン」(患者や医療従事者)の関与も否定できない。またオンラインで患者の自己管理を支援する企業も数多く出現し、企業のニューフロンティアとも言える。 一方、予知が困難で本人の努力では改善しない極めて重大な判断を迫られる状況においては、主治医と患者の結束がより重要となり、もはや遠隔地にいるネットオピニオンのみの支援は不可能である。にもかかわらずマスコミ等ではドラスティックなオンライン利用例を市民に伝えており、オンライン支援の過度の期待や誤利用の懸念が払拭されない。 20世紀末に忽然と姿を現した超技術INETは、過去に比較ならないくらい大量の情報を社会に流通させ、現実の世界では定義し得ない現象やサービスをもたらし、それ故に従来の組織や法律との整合性に我々はいま戸惑っている。しかし、既成の概念にとらわれず、新しい倫理や利用法を提唱する時が来ている。 種々の疾患、様々な状況、疾病を克服していく上での、オンライン支援の適応と限界、対面診療とネットオピニオンの位置づけについて、喘息患者を支援してきた立場で考案を述べたい。 |