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1. はじめに 今世紀最大の発明品とも言われるインターネットの普及に伴い、社会環境は大きく変化して来た。インターネットの持つ特性の一つとして空間的・時間的制約の超越を挙げる事が出来る。この事は限られていた活動範囲を大きく広げ、不特定多数との大量の情報の共有と新しいコミュニケーション ツールとしての発展に寄与してきた。医療の分野においても例外ではなく、患者さんや医師、薬剤師、コ・メディカルといった医療従事者にも情報を得る手段として、優れた検索機能やMLなどは水や空気の様に自由に使われるようになってきた。 2.インタ−ネット医療の持つ可能性 インターネットが持つ特性に加え、医療情報への期待度の高まりが相まってインタ−ネット医療と言う新語が誕生し、我々は電子カルテの導入、24時間接続に伴う高齢者医療への貢献、遠隔医療の試みなどを予測していた。2000年1月19日から2月中旬にかけて、医療機関に通院、または入院中の患者、及びその家族を対象に、医療機関に関する情報利用の要望、並びにインターネットでの医療情報の利用状況、個人情報の扱いに関する意識調査を行い、「インターネット上の医療情報の提供と利用の実態に関する調査研究」をまとめた。患者の医療やお薬情報への関心度・期待度の高さに調査をした我々医師も驚いている。最近ではi-modeの出現に伴い、モバイル医療がより確実な医療サービスの一つとして定着しつつある。 3.情報化に遅れていた医療産業 医療を取り巻く環境は他の産業とは大きく異なり、医師法や医療法による規制が厳しく、細分化・専門化され過ぎた市場である事がコストダウンの面でもIT革命の足枷となっていた。しかし、無料の医療相談やO−157に代表される様な情報開示など一部医師による献身的なボランティア活動もあって医療におけるIT革命が徐々に進化してきた。一方では保険制度の存在に伴う医師と患者のコスト意識の低さなどもあってか情報化がなかなか進まない環境の存在は否定できない。 4.インターネット医療の功績と罪 医療情報の開示と共有による受け手のメリットがクローズアップされ、医療の地域格差の解消に大きく貢献した。また、インフォームド・コンセントやEBMはインターネット医療の派生語と呼んでも良い。近年の医療や健康サ−ビスへのブ−ムも手伝い、インターネット医療による医療情報への関心は著しく高まった。しかし、その一方では健康食品の通販、外国薬剤の個人輸入代行やプライバシ−の侵害など違法性を持った営利活動も後を絶たない。 5.まとめ インターネット医療は今後も様々な試行錯誤を続けながらも進化を遂げることであろう。 また、高齢少子化に伴い医療費の削減が叫ばれる今日、遠隔在宅医療、プライマリ・ケア、医学教育の重要性が見直されつつある。電子マネ−による決済やセキュリティシステムの確立はインターネットによる医療革命に一層拍車をかける事となる。遅れていた各種規制緩和を先取りした一部の企業がe-healthへの参入を始めている。これらの新しい囲い込みは21世紀の新しい医療改革の形であり、健康への自己管理を助長する好ましい動きとして歓迎出来る。一方、健全なインターネット医療の推進発展の為にJIMA(日本インターネット医療協議会)の社会的期待と使命はますます大きくなりつつある。医療情報発信者ガイドラインの遵守の他にe-health国際倫理コードなど世界的な視点に立った研究や啓発も同時に急がれるべきかも知れない。 |