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 「JIMA第3回会員研究会」発表要旨





 

わが国の患者会及び、セルフヘルプ・グループの現状と患者コミュニティの可能性

         和田ちひろ、林幹泰、吉村典也(患者会ネットワーク研究会)



[背景]

近年、患者会及び、セルフヘルプ・グループ(以下あわせて患者会と略)の活動は目覚しい。 その数はアメリカでは75万、ドイツでは10万と言われているが、わが国の正確な数的把握は未だ試みられていない。患者会の医学的効果に関しては、転移性乳がん患者の抑うつ、疲労感の減少効果、生存率の向上などが国内外で報告されており、患者会と専門家とのますますの連携が期待される。 今回は患者会606団体の回答より得た患者会の効果や運営上の問題点について及び、現在、運営しているインターネット上での患者会検索ホームページ(www.kanjya-kai.ne.jp)の概要について発表する。そして患者コミュニティの可能性についての考察を述べる。

[調査結果]

発表者らは1999年に把握可能であった保健・医療分野の患者会1620にアンケートを郵送した。その結果、606団体から回答を得た。
(1) 患者会の効果・意義:「同じ悩みを話し合うことによって仲間がいることを確認することができた」という回答が最も多く、「当事者でしか分かち合えない悩みを話し合う」、「当事者同士の情報交換ができる」等が上位を占めた。
(2) 患者会の抱える問題:「役員となった一部の会員の負担が大きすぎる」という役割負担に関する問題が上位3位を占めた。「患者が地理的に分散しているため、個別対応が難しい」、「活動資金の不足」という回答もあった。
(3) 今後、患者会が望む支援:「患者会が活用できる社会資源に関する情報提供、運営に関する相談、助言、研修を行う機関」が挙げられた。また「疾病や障害に関する専門的な相談や助言」を望んでいる会も半数あった。

[ホームページの概要]

2001年1月より前述の調査より得られた患者会情報をインターネットにて公開している。現在、閲覧できる患者会の数は320である。疾患部位別、性・世代別に患者会を探すことができる。それぞれの患者会の詳細情報として、1)活動内容、2)相談方法、3)連絡先、4)会費、5)会員数、6)設立年度、7)広報誌などを掲載している。01年4月末までのアクセス数は1643である。新規の患者会が作られた場合には、自身で登録できるようにしてあるため、自然増殖するサイトとなることが期待される。

[考察]

今回の報告も含め、患者会の効果は数多く、報告されているが、医療現場と患者会との連携は未だ乏しいものがある。その原因として患者会自体の歴史的背景の問題や、会の運営が困難なため継続的活動ができないという問題を内包しているため社会資源として信頼されないなどが挙げられる。患者は一部の医療従事者から患者会を紹介されるか、メディアからの情報により偶発的に出会っていることが多い。今後、患者と患者会とが出会うことのできる窓口をより広げ、社会資源として患者会を位置付けていくことが重要であろう。

90年以降、「クリアリングハウス」という地域の患者会を紹介する機関が国内に5ヶ所設立されている。クリアリングハウスでは、新しいグループ結成時の支援、研修プログラムの実施、グループの相互交流なども行っている。クリアリングハウスのような機関の社会的認知の高まり、数的質的充足が今後非常に期待される。 患者会検索ホームページでは、誰もが気軽にアクセスして自分の見つけた患者会に出会えるようなサイトにしていきたいと考えている。今後の展開として、病名や地域別の患者会検索機能や探している患者会が見つからない場合は登録しておくと、同病の患者がアクセスしてきた場合にはマッチングできるような機能も持たせたいと考えている。また闘病記サイトや患者の視点からみた疾病毎の推薦医療機関などについても紹介していきたい。病気になり、仲間が探したいときに訪れることのできる患者コミュニティの形成を目指している。患者コミュニティによって仲間がいることが確認でき、孤独感が減少するということは、当事者にとってはなにものにも変え難い。この事実を真摯に受け止め、さらなる患者同士が出会えるサイト運営に努めていきたい。

インターネットの急速な進展により、オンライン上での患者コミュニティも盛んになっている。稀少難病や自宅から出ることのできない患者同士がネット上で出会い、励ましあえるバーチャルな患者コミュニティの効果についても今後の研究結果が待たれる。米国では小児医療において、同じ病気の入院患児が出会えるサイトを運営しており、その効果も報告されている。

会場ではそれらの結果も紹介しながら、わが国での患者コミュニティの可能性について、さらに考察を深めていきたい。





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