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 プレスリリース



 
[2008年5月1日]



日本インターネット医療協議会、都道府県の医療機能情報提供制度の実施状況を調査

 〜6割以上が診療内容等の詳細情報まで公表、地図検索、かかりつけ医登録等の便利な
  機能を提供する一方、インターネット公開がまだの県も〜






 特定非営利活動法人日本インターネット医療協議会(略称:JIMA、理事長・辰巳治之札幌医大教授)は、このたび医療機能情報提供制度に基づき、都道府県が20年度より本格的に展開する医療機能情報提供事業の開始状況に関する調査を行いましたので、その結果を発表いたします。

 本制度は国の医療制度改革における「患者の視点に立った、安全・安心で質の高い医療が受けられる体制の構築」の一環として、医療情報の提供による患者・国民の適切な医療の選択の支援を目的に創設されたものです(根拠法は医療法第6条の3)。対象となる病院、診療所、歯科診療所、助産所、薬局等の医療機関の管理者は、当該医療機関が有する医療機能に関する情報について都道府県知事に対して定期的に報告を行い、都道府県は受けた情報をそのまま住民・患者にインターネットや紙媒体を使って分かりやすいかたちで提供していこうというものです。

 報告する医療機能情報は、名称、診療科目、診療日・時間等の基本情報と、病院へのアクセス、院内サービス等、費用負担等、提供サービスや医療連携体制に対する事項、医療の実績・結果に関する事項等の詳細情報を合わせて病院で56項目、診療所で49項目、歯科診療所で31項目、助産所で26項目となっています。このうち、平成19年度は最低限の基本情報を、20年度には詳細情報までの全情報を提供していくことが求められています。また、医療機関自身も同じ内容を院内またはインターネット等で閲覧に供することが義務付けられています。

 JIMAが、4月1日から5日までの間に、全国の都道府県のホームページを調査したところ、47の都道府県のうち、36の都府県(全体の76.6%)が検索可能なかたちで病院・診療所の基本情報の提供を開始、うち30の都府県(同63.8%)は詳細情報を含む全情報まで提供開始していることがわかりました。また、生のデータの一覧だけを掲示し、利用者が容易に検索可能なかたちで提供できていないところが4道県(同8.5%)ありました。いっぽう、医療機能情報に該当する情報をインターネットでまだ提供開始できていないところが7県(同14.9%)ありました。

 本事業の実施主体は都道府県とされていますが、多くは、既存の医療機関情報提供サービスや広域災害・救急医療情報システムをリニューアルして対応している模様でした。また、最近のインターネット技術を活用して、地図検索や携帯向けのサービスを組み合わせるなど工夫しているところもありました。

 三重県は、すでにある県広域災害・救急医療情報システムを「医療ネットみえ」としてリニューアル。検索時に中心となる場所(自宅など)や地域を登録できる機能、かかりつけの医療機関を登録できる機能も提供。対応できる外国語、外来患者用の設備等による絞込み検索もできるようになっていました。本サイトは、三重県のトップページの目につく位置から視認しやすいアイコンで案内されていました。また、ホームページを有する医療機関には記載のURLからのリンクで、個別の情報を確認できるようになっていました。
 宮崎県は、4月1日より宮崎県総合医療情報システムの「みやざき医療ナビ」の運用を開始。地図検索や携帯向けサービスにあわせて、県の医療計画の広報ページにもリンク、さらには、医療機関の院内掲示用のポスターや携帯用案内カードの印刷用図柄もダウンロードできるようになっていて、制度の周知に努めている姿勢がうかがえました。
 いっぽう、同様のサービスを提供しながらも、自治体トップページからのリンクがなかったり、案内がわかりにくいところもありました。

 東京都は、従来の東京都医療機関案内サービス「ひまわり」のページを拡充、4月1日に助産所の医療機能情報を追加、疾患・治療内容に加えて、東京都独自に調査した脳卒中関連の情報を、「急性期」「維持期」「回復期」の各段階で対応可能な医療機関が検索できるようになっていました。
 大阪府は既存の大阪府救急医療情報センターが運用する「大阪府医療機関情報システム」で、さまざまな条件から医療機関を検索することができますが、新制度に対応した医療機能情報を提供するのは20年度としています。
 千葉県は、千葉救急医療ネットの中で一部医療機関情報を提供しているものの、規定の医療機能情報として制度対応できていませんでした。ほかにも、青森県、岐阜県、島根県、長崎県、熊本県、鹿児島県がインターネットで確定公開された該当の医療機能情報を確認することができませんでした。

 制度が始まったばかりの段階であるため、都道府県によって、システムの開発状況や利用できる機能に差が見られましたが、既存のシステムに縛られない自治体においては、最新の利用技術を生かした情報提供サービスが開始できているようでした。ただ、いずれの自治体も、今後、本格的な運用に入っていくにつれ、以下にあげられるような課題が出てくることが考えられます。

・インターネットが不慣れな人もアクセスすることを前提に、提供されるサービスの利用法や趣旨をわかりやすく案内する必要がある。
・提供される情報は住民の健康や生活に密接した情報で、緊急性の高い情報もあるため、都道府県のトップページからわかりやすいリンクで案内される必要がある。
・本サービスで提供される情報の正しさを確認できるよう、個別医療機関のホームページへのリンクの設定や、迅速な情報の更新手段の確保が望まれる。

 JIMAでは、今回の予備的調査に引き続き、2003年に行った厚生労働科学研究費補助金による医療技術評価総合研究事業での都道府県や市町村の自治体サイトにおける医療情報の提供・利用状況に関する調査研究や、医療機関等が情報やサービスを提供する際の自主的基準を策定・運用してきた活動実績を踏まえ、都道府県の医療機能情報提供サイトを、機能性、デザイン性、アクセスビリティ、関連コンテンツ、プライバシー保護等の観点から第三者的にアセスメント(評価)、その結果を発表していく予定です。

 JIMAは、医師や患者・市民が主となって、医療・保健分野でのIT利用の推進とその環境づくりを目指した活動に取り組むNPOです(1998年に任意団体として発足。2003年にNPO法人化)。情報やサービスの質に関する基準としてeヘルス倫理コードを策定、本基準に基づき医療系サイトを審査評価、適合サイトにトラストマークを付与するトラストプログラムの普及事業や、一般利用者に対する啓発活動などを行っています。



[参考資料]

都道府県における医療機能情報提供制度の実施状況調査報告(平成20年度)

医療機能情報提供制度について(神奈川県の案内ページ)

※JIMAの厚生労働科学研究費補助金医療技術評価総合研究事業「医療・保健分野におけるインターネット利用の信頼性確保に関する調査研究」報告書(2003年発表)



※本プレスリリースに関する問い合わせは、日本インターネット医療協議会info@jima.or.jpまで。




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